「明日目が覚めて、身体が動かなくなったらどうしよう」

こんな事を考えた経験はあるでしょうか?

 

こんにちは、浅川透です。

あなたは「明日目が覚めて身体が動かなくなっていたらどうしよう?」と考えたことはあるでしょうか?

 

私は実際に、こんな事が起こり得る難病を抱えています。

 

 

 

社会人になって2年目。2006年の12月。仕事が忙しい時に、ある朝、目が覚めたら目の前に今までと全く違う世界が広がっていました。

 

「何が起こっているのだろう? 」

 

 

そう思いながら眼科で診察を受けました。片目の眼球が動いていない事が分かりました。

しかし、眼球がなぜ動かないのか、原因が分かりませんでした。不安を感じながら幾つかの病院に回りました。しかし原因が分かりませんでした。

ある病院で市民病院の神経内科を紹介されて、初めて病名を宣告されました。

 

 

「あなたは多発性硬化症という難病を患っています」と。

 

宣告された時はどんな病気かは全くわかりませんでしたが、難病、と言われたときに目の前が真っ暗になりました。

 

「このまま目が治らないんじゃないか。」

「もう今までと同じ様には暮らせないだろうなぁ。」

「きっと二度と恋人もできないだろうし。。。」

「両親は悲しむだろうな」

「退院しても仕事はできるのかな」

「そもそも、難病になってあと何年生きられるのだろうか」

 

 

そんなことを考えていました。

 

そして毎日寝る前に、

「明日目が覚めたら、身体が動かなくなっていたらどうしよう」

と、不安で眠れない時が続きました。

落ち込み

 

 

 

3週間ほど入院して、退院時には目がある程度以前の状態に戻っていました。

 

しかし、疲労やストレスがあると病気が進行してしまう可能性があると言われていたので、退院してもあまり活動できなくなっていました。

今後、どうしようかと思い悩んでいた時にTVで東京マラソンをやっていました。

それをみて、せめて自分で健康を感じたいと思い、フルマラソン完走を決意しました。

 

 

しかし、病気の再発が怖くて決意してから走っては諦め、走っては諦め…決意して2年間経っても走れる距離は5kmほど。全く変わりませんでした。

 

このままではいけないと思っていたある2009年の1月ごろ、ある本に出合いました。

それはコーチングの本でした。私はコーチングに興味を持ち、あるコーチに病気の事、どうしていいか分からない事、何かをやろうとしても頑張れない事を伝えました。

 

相談をしたコーチからこんな質問をされました。

 

 「もしフルマラソンを走れるようになったら、同じように悩んでいる人を勇気づけられるんじゃない? 」

 

今まで、自分の事にばかり意識を向けていましたが、この一言を言われてから他の方の役に立つかどうか、という視点で考えられるようになりました。

 

自分一人の事だけを考えるのではなく、誰かのために行動すると決めたことで私の道は開けました。

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もちろん当時は今まで2年間できなかったフルマラソン完走というゴールをどうやったら達成できるか分かりませんでした。

ですから、むやみに「一人でがんばる」のをやめて、本を読んだり人に聞いたりしてゴールを達成するための情報を集めて、チャレンジすることにしました。

 

 

マラソンのためのトレーニング時間は増えましたが、今までよりも気持ちも身体も楽でした。

他の人の知恵や勇気を借りたせいか、病気を宣告される前よりも身体にエネルギーが満ちていました。

 

 

徐々に努力することに対して恐怖心が少なくなり、3ヶ月後にはフルマラソンを完走できるようになりました。

 

 

もしかしたらフルマラソンに挑戦する事で、病気が発症して大変な事になっていたかもしれません。二度と走れない状態になったかもしれません。

 

しかし私はこの経験から、心が変われば、人の力を借りて挑戦すれば、やりたい事はできるという事を学びました。

そして、例え病気になったとしても自分が大切にしたい人や考え方は守れるという事がわかりました。

 

 

このように書いても「もし病気が進行していたら、同じことは言えないんじゃないか?」と思う方もいるかもしれません。

私は病気が進行しても、マラソンに挑戦した時と同じようにエネルギーに満たされていたと思います。

 

というのも私が変わったのは、マラソンのゴールを達成したからではなく、自分が生きていく中で大切にしていたものに繋がった時からだからです。

 

 

実を言うと、フルマラソン完走から9ヶ月後の2010年3月、私は難病が原因で再び入院していました。

今度は下半身と右上半身に痺れが出て、階段を上るのもつらいような状態になっていました。

 

以前の私だったらこう考えて、不安を募らせていたと思います。

「このまま足が悪くなったら、車いす生活で一生を送るかもしれない」と。

 

 

しかしこの頃には自分の難病にも価値があると信じていたので、

「私が入院することになって何ができるようになるのだろう? 」

と考えるようになりました。

 

そこで入院中に、なるべく入院患者さんのお話しを聞いて、相手の不安を取り除くように努めました。

退院時にはお話しした患者さんたちから感謝の言葉を言われました。

笑顔

 

 

病気が進行してもそうでなくても、他の人をサポートすることはできます。

 

そして私も成長することができるということがわかっていたので、あまり病気に振り回されずに行動できました。

 

 

もちろん病気は大変な事ですが、考え方や生き方が変わるだけで病気の心理的負担を減らすことができると身をもって知る事が出来ました。

 

 

それからは自分を変えたコーチングやカウンセリングを学び、それと並行して難病や大病を抱えた後にその逆境を乗り越えた方の話を聞きに行きました。

 

そして、気づいたのです。難病を持つ方でも自分が行動する為の絶対的な理由を見つければ、少しずつでも進んでいけるということに。

 

 

もちろん病気が急激に進行して安静が必要な時は無理をしてはいけません。そのあたりは医師にお任せします。

そして病気に対する不安を抱えたままで活動する必要もありません。難病を持つ方の多くは自分の病気をきちんと見ることができれば、今までよりも病気を気にせず活動できます。

 

 

そして心身の状態の悪い人に対して一度に全てのコーチング、カウンセリングのセッションをすることはしません。

というのも気持ちだけ元気になりすぎて、体調を悪くしてしまうケースがあるからです。

一つ一つ現実を見つめて評価し、行動していくことが必要になります。

 

それでも一つのセッションが終わるたびに、セッションを受けた方の表情や気持ちが変わっていくことに気づきました。

自分のやっていることに大きな情熱と手ごたえを感じた瞬間でした。

 

それ以来、難病持ちの方が本当の自分を見つけて元気に活動できるようになることを目指して活動しています。

 

そしてより多くの方をサポートするために、この「難病患者の教科書」という本と、「難病患者の教科書 公式HP」を立ち上げました。